私が高校留学に反対な理由


前々から思っていたことを書く。
私は高校留学に反対である。駐在員に家族が帯同して否応なく、というケースはあまり想定していない(それでも積極的に賛成は致しかねるが…)。そうではなく、本人や親の意志で好き好んでする高校留学に反対なのである。



最初に断っておくと、私の身の回りに高校留学した人、している人はいない。ので、あくまでも全部伝聞からの情報が元になっている。そして中にはもちろん「高校留学大成功♡」という人たちもいるだろう。そういう存在があることも私は別に否定しない。

というわけで、ここからは話半分で聞いといてもらえれば良いのである。

私が高校留学に反対する理由はいくつかあるが、最大の理由は「本人(および受け入れ側の生徒たち)がいろんな意味で十分に成熟していない」ということである。

一番大きいのは経験値の欠落である。
予期せぬトラブルが起きたときの対処にあっさり失敗しやすい。多いところでは人間関係のトラブルである。ホストファミリーとのトラブル、クラスメイトとのトラブル、教員や学校スタッフとのトラブルなど。
もちろん高校生という子供であるから、当然エージェントや親といった周りの大人に頼ることになるのは致し方ないが、毅然と主張を通したり、正当なクレームを言える日本の高校生というのがどれだけいるのか疑問である。
現地のルールやマナーを十分理解しておらず、そこからトラブルになる可能性もある。

そしてこれは私が以前滞在していた家のホストマザーから聞いた話だが、以前ステイしていた男子学生が、なんとバスルームのヒーターの吹き出し口(床にある)を排水口と思い込んで、そこにジャージャー水を流し、大変なことになったという。

って待って。
そもそも普通にバスタブの中できちんとシャワーカーテンを引き、内側にカーテンを入れ込んでシャワーを浴びていたら、そんなことは起こらないはずである。
つまり彼は、欧米のシャワーの浴び方、風呂の使い方を知らなかったということになる。
そしてそういう人間が「留学」に来てしまうのである。
間違っている…
とっさには思い出せないが、そういう話は他にいくらでもある。

さらに先日、どういうわけか我が町に、日本人高校生がボランティアをしにやってきたという。それはどうでもいいのだが、おりしも今はコロナ騒ぎでどこもかしこも大変なことになっている。そんな中のんきにボランティアにやってきて(別にこの町が募集していたわけでもなんでもない)(しかもボランティア先は医療施設だという…!)当然自宅待機を命じられたそうなのである。
こちらからすると、ボランティア先に断られなかっただけラッキーではないかと思うのだが、関係者が語るところによると、その高校生はなぜか「精神的にとても参っている」というのである。
はあ?としか思えない。どこに落ち込む要素が???
物事が予定通りに進まないことなど、人生において、そして海外においては日常茶飯事である。しかしその高校生は、そんなことすら受け止められず、ジタバタ騒いで周りの日本人に「他にボランティアできるところを探してくれ」と頼んできたのである(しかも親まで一緒になって!)
もうこういうのも本当にいい加減にしてくれと思わずにはいられない。
何が起きてもどっかり構えて自分の力で対処できずに、結局周りの日本人に頼るような子供は、やはり海外に単身出てくるべきではないと思ってしまう。
(これは高校生に限らずだなー… 自分でまずどうにかしようとせず、すぐ周りの日本人に頼る人は多い…)

さらに、受け入れ側の高校の生徒たちもまた、子供なわけである。
大学生ともなればそれなりに分別がつくので、差別的な言動は慎むし、中には留学生に親切に接してくれるような子もいる。
が、高校生はどうか。
ハッキリいって動物のようなものではないか。(失礼?)

中には賢く、優しい生徒もいるかもしれない。が、大半は自分たちのことだけで精いっぱい、そして中には差別的なことを言ってきたり、意地悪や嫌がらせをしてくるような輩もいるかもしれない。そしてなんといっても、ほとんどの生徒たちは留学生なんか眼中にないのである。
するとどうなるか。
まず、そもそも語学的なハンデがあり、さらに育ってきた文化的背景が異なるアジアからの留学生など、誰も相手にしないのである。
当然孤独な学生生活になります。
先生の言っていることもわからない、宿題がなんなのかもわからない、次のクラスがどこの教室なのかもわからない、助けてくれるクラスメイトもいない。そういう地獄に突き落とされる可能性が大なのでございます。

さらに私が問いたいのは、「高校留学して、その後どうするの?」という問題である。

本人が「高校留学したい!」と言い出し、親の方も「これからの国際社会で生きていくには英語が大事!応援する!」というノリで、運良く資金もそれなりの語学力もあり、で実際留学してみたはいいが、なんとか卒業したとして、そのあとはどうするの?という問題が出てくるわけで。

「日本の大学に進学する」となった場合、まず帰国子女枠は使えないケースが多いそうでございます。
さらに、「だったら日本の高校で良かったんじゃね?」という疑問も湧き上がってまいります。もちろん海外の高校に通ったという経験はなにものにも代えがたいかもしれませんが、多大な金銭的負担、精神的苦痛を乗り越えた先が、結局日本の大学進学って一体… と思わなくはありません。まあこれは人それぞれの価値観ですけどね…

では逆に「そのまま現地の大学に進む」という選択はどうか。
これも結構大変らしい。カナダはそうでもないかもしれないけど、アメリカはそれなりの大学行こうと思ったら、戦いは高校入学以前から始まっているらしいですね…
さらに、「だったら大学から留学すればよかったんじゃね?」という疑問も生まれます。まあこれも一概には言えませんが… いずれにしても、よっぽどお金持ちのおうちではないかぎり、この選択はあり得ないでしょうな…(奨学金という手もあるか)

と、完全に個人の主観ガチガチで書いてきましたが、そんなわけでわたくし個人としては、高校留学には賛成致しかねます。

まー… いろいろ甘い夢を見せるエージェントも多いみたいですね…
日本で受験に失敗した子とか、不登校の子なんかは「海外留学して一発逆転!」とか思いがちかもしれないので、十分気を付けてもらいたいですね。
おらの町にも以前、日本で引きこもりだった子が留学に来て、そのままこちらでも無事引きこもりになったという話を聞いたことがあります。
基本的に、日本でうまくいかなかった子が海外ならうまくいく、っていうのがあまりあり得ないことだと思うんですよね…
(自分の意見ばんばん言いすぎるあまり周りから浮いてた、とか、あまりに独創的なアイディアばかり発するので先生たちが持て余していた、とかなら違うかもしれませんが)

いやー、長くなってしまった。
長らく胸の内でモヤモヤ思っていたことを書きだしたらこんなことに。

再度言いますが、これらは全く実体験には基づいておりません。
ただ、周りで見聞きしたことなどから導き出した私なりの考えです。

おしまい!



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