海外移住は誰でもできるか?①ざっくり概要編

 


最近、ツイッターやネット等で、「日本はもうダメだ…」「海外に脱出するしかない」的な言説をよく見かけるようになりました。私の周りだけかもしれませんが…

で、私自身、今のところは一応、海外在住ということになりますので、数年カナダで過ごしてみた身として、今現在、日本で暮らす「普通の人々」が、「海外に移住したい!」「日本を脱出したい!」と思ったときに、果たしてそれが可能なのかどうか、ちょっと考えてみたいと思います。

(って、前振りを書いていたら長くなってしまったので、次回へ続きます)

日本の人が「海外移住したい」とか「日本を脱出したい」と言うとき、そのほとんどの場合、行き先として想定されるのが、「それなりに発展していて、安全で、暮らしやすい国」だと思うのですね。まあ、いわゆる先進国、あるいは新興国ですかね。日本を脱出したいと言いつつ、生活水準が著しく劣る国とか、危険な紛争地域に移住したいと思う人はあんまりいないと思います。

で、そういう「それなりに安全で発展していて暮らしやすい国」っていうのは、当たり前なんですが、日本人以外、言ってしまえば世界中の人たちからも人気があるわけです。日本なんかと比べ物にならないほど、危険だったり生きていくのが困難な国や地域の人たちもまた、喉から手が出るほど、海外の安全で暮らしやすい国に移住したいと思っている。

なので、いわゆる先進国は、誰でもじゃんじゃん受け入れるということはせず、それなりの基準を設けて移民を選定しているわけです。ワークビザとか永住権とか市民権とかっていうのは、それをクリアしないと手に入れられません。

じゃあそういった先進国、新興国がどんな人たちなら受け入れてくれるかというと、

①自国の経済に貢献してくれるようなお金持ち
②自国の発展に貢献してくれるようなスキルの持ち主

の主な2種類ですね。

①だと、たとえば税金をたくさん納めてくれるとか、現地のビジネスに投資してくれるとかですね。なので、莫大な資産のある中国人がどんどん海外に出ていって、巨大なコミュニティを築いたりするわけです。
②に関して言えば、ノーベル賞を受賞するような優秀な研究者がアメリカに移住していたり、日本企業をリストラされたような技術者が中国企業に好待遇で引き抜かれたり、というところでしょうか。
そのどっちも無いよ… という人がほとんどだと思うんですが、先進国が必要としている人材にはもう1種類あって、それは何かというと

③自国の人たちがやりたがらない仕事に就いてくれる人

ですね。

低賃金とか激務とか危険とか、そういう仕事ですね。日本でも工場の単純作業とか農作業、あとは接客業といったあたりに、外国人労働者が相当増えていると思います。カナダでもアメリカでも同じです。

まあこうやって考えると極端な気がしますが、暮らしやすい先進国や新興国に移住しやすい人というのは大きく分けて、

①お金持ち
②求められるスキル、職歴がある
③誰もやりたがらないような低賃金の労働でもいとわない人


と言えるかもしれません。

しかし、③に関して言うと、正直、一時的に滞在はできても、永住は難しいかもしれません。オーストラリアやニュージーランドでは、ワーホリの若者に農作業をさせて、雇用の穴を埋めていますが、どの国も本音を言えば、欲しいのは優秀な人間、あるいは資産家であって、低スキルの労働者は、用が済んだらとっとと自国に帰ってほしい、という思惑がありますね。

おおざっぱに、シビアなことを書いてきたので、「やっぱり海外移住は甘くないか…」とガッカリしてしまう人も多いかもしれませんが、だからといって「金もスキルも無い人は海外移住は絶対無理です」というわけでもないので、そのへんのことについて、次回は書いてみたいと思います。






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