【冬休み特別企画】毎日ホラー映画 ⑫ イル・レガーメ (The Binding)

 


気づけば冬休みもあとわずかとなりました。ホラー映画を見続ける日々も、もう少しで終わりでございます。そう思うとなんだか少し寂しいような気も… しませんね、別に… 
元旦に衝撃的な事態が起きて中断したものの、我ながらよう続けたわいなあと思います。

ここはひとつ、ずっと気になりながらもあまりにも怖くて見られていない「アス」と「ヘレディタリー」を見るしかないか!と思ったんですが、やっぱり怖くて無理でした。


で、何を見たのかというと、イタリア産のホラー映画、「イル・レガーメ」でした。これ、あんまり見た人がいないのか、日本語で検索すると、お料理教室とかイタリアンレストランがヒットしてしまうんですよね… もうハッキリいって、ダメ元で見ました。単純に、イタリアのホラー映画ってどんなもんやろ…という興味だけで。

最初、英語音声に日本語字幕で見てたんですが、いやいや、やっぱりこれはイタリア語で見ないと雰囲気が… ということで、イタリア語音声で見ました。最初はどうも、ラテンな感じが違和感… と思ったんですが、すぐに慣れました。




で、どうだったかというと…



めっちゃ良かった!!!


いや、良かったです。何系のホラーなのかもよくわからんで見始めたんですが、これもまた土着信仰系?というか、悪魔祓い系?

雰囲気も映像も美しく、登場人物たちの言動にさしたる矛盾もなく、ストーリー運びもサクサクでイラつくこともなく、じっくりと見ることができました(いや、ところどころ1.5倍速で見てました。すみません)

簡単に言うと、彼ぴっぴとの結婚を控えたシングルマザーの主人公が、娘と三人で、彼ぴの実家へと向かいます。義母やお手伝いさん、近所の人たちは温かく迎えてくれるものの、なんだか怪しげ。食事の前に奇妙なお祈りを唱えたり、クモに刺された娘におかしな治療を施そうとしたりする。疑心暗鬼から、ついにキレる主人公。

ここのプロセスがリアルで良かった。母親目線でずっと見てる観客は、この一家が善人なのか、それとも何かを企んでいるのかが分からない。キレて強引に娘を連れて帰ろうとする主人公の心情にもすっと感情移入ができる。しかし残念ながら、彼ぴっぴにはクソオブクソな過去があり、気づいた時には娘は呪いの犠牲となってしまっていたのでした… 的なお話。


いやー、なかなか良かったです。呪術?(ああいうの、なんていうのw)の感じとかリアルだし、エンドロールの映像も「The Conjuring (死霊館)」的で、「え?実話なの?」と思わせる演出。(実話ではない)
さすがフェリーニを生んだ映画大国やで…!

ただ、最初、娘を奪ったアダ(クソ彼氏の元カノ。呪いによって堕胎させられ、悪魔に憑りつかれたあげく失踪)が、最初霊なのかと思い込んで見てたもので、首絞めたり羽交い絞めにしたり、「え、物理攻撃なんや…」と妙に思ったんですが、あとになって「ああ、悪魔に憑りつかれた状態で生きてたのね!」と納得。まあ、これは私がアホなだけなんですが…


そしてラスト、まあ、良かったね、という感じで終結するのですが、「アダが結構かわいそうな気が…」という観客の気持ちを見越したかのように、不穏な余韻を残して物語は幕を閉じます。うまいなこのやろう!続編をぜひ作ってもらいたいな!


あんまり笑ってしまうようなシーンもなく、非常によくできた映画だったと思います。が帰ってこないクソ彼ぴっぴを、主人公はもちろん、お母さんも誰も心配しない、話題にも出さないあたり、ちょっと面白かったです。クソ男だから仕方ないね。そう、女性たちの映画でしたね、これは。
(ランチに招かれていた)神父さんとか助けに来んのかい、とちょっと思ったけど…

いや、私は好きな感じの映画でした。良かった良かった。

さて、最終日の明日は、一体何を見ましょうね。心を決めて「アス」か、「ヘレディタリー」か、はたまた…




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