黒澤映画を見て思ったことなど


昨日テレビをザッピングしておりましたら、偶然モノクロの日本映画をやっていまして。「Red beard」とタイトルがちょうど出たので、「赤ひげかー」とすぐにわかったのですが、知っているのはタイトルだけで詳細は知らなかったのでググったところ、黒澤明の映画ということが分かったので見てみることにしました。
何気に、黒澤映画を見るのは初めてでございました。
ずっと興味はあったんだけど、見る機会がなかったんだよねー…



まず本当にどうでもいい&前にも書いたかもしれないんだけど、あれくらいの時代の邦画って、マジで何を言っているのか聞き取れない…
英語字幕に助けられるという謎… (でも長いと読むのが追い付かない…)

そして思った。

ああ、昭和ってこういう感じだった、と。
どういう感じかというと、「弱きを助け、強きを挫く」的な雰囲気が、まだ世の中に当然のごとく浸透していたなと。
(昭和といっても、1960年代とか70年代?私は70年代後期生まれなので、実際は知らんが)
勧善懲悪が、当たり前のこととして人々に受け入れられていたなあと。

(今なんの脈絡もなく思い出したけど、私が子供の頃はまだ行商のおばさんが電車に乗っていることが珍しくなかった… ものすごい大荷物をしょって、ひっそりと電車に乗っている彼女らの姿は、子供心にもなんとなく複雑で神妙な気持ちにさせるものがあった…)(今あんなおばちゃんが電車に乗っていたら、それこそベビーカーや子連れなど比較にならない勢いで総叩きされるのであろう…)

人々がまだ単純だったのかもしれない。
戦中からの壮絶な体験、貧困を、まだ皆が覚えていたというのもあるだろうな…


そしてそこでまた連想したのが、ここ最近目にした、コロナ騒動の中に点在する冷酷極まりない声である。

ここ数日間で、ツイッターなどで本当に目を覆いたくなるような言葉をたくさん見た。日本政府が補償をするとかしないとかモタモタしているのを横目に「生活保護の人間にはくれてやるな」とか「日本国籍を持たない人間には与えるな」等々の、本当に信じがたい醜悪な言葉の数々と、それに対する賛同の声。

何と冷たい国民性だろう、と心底情けなくなった。

実際、日本人は世界一冷たい国民らしい。

https://news.careerconnection.jp/?p=74898


もちろん、上の記事にあるように、「人助け」の解釈や、文化的背景の違いもあるだろう。それでも、この結果に納得してしまう人は私だけではないだろうな、と思う。

それから、ソースは探せなかったのだが、「日本人は自分に何にも関係なくても、他人が得をするのを許せない国民性ワースト1」でもあるらしい。
そういう実験結果があるそうだ…

https://twinavi.jp/topics/lifestyle/5ddb5119-3000-4af4-b672-00880a880361

これもまた、そうだよな、知ってた… と力なく納得してしまう話である。
生活保護バッシングや、女性専用車両に対する異常なまでの攻撃等々を見ていると、否定する気力がわいてこない。
↓こんなこともありましたな。

https://buzzap.jp/news/20190415-yayoiken-okawari/


なんでこんなことになっちゃったんだろう、と「赤ひげ」を見ながら、ぼんやりと考えてしまった。

あの、貧しい人々、持たざる者たちへの、世の中全般からの優しいまなざし、何とかしてあげたいと思う気持ちは一体どこへ行ってしまったのだろう。


そして、これは映画を見る以前から少し考えていたことなのだが、どうしてああいう狭量かつ冷酷な人種差別主義者や、ヘイターは、そうなってしまったのだろう。
そしてどうして私は、ああならなかったのだろうと。

答えはまだ全く出ていない… 

が、一つには無知があるだろうな。
先日、日本にいる友人とLINEをしていたら、「生活保護を全部商品券にすればいいのに!パチンコにどれだけお金が流れていることか!」と言い出したので、ああ、お前もか… と思いながら、生活保護の不正利用は全体の0.4%程度であること、そしてそれ以前に、本来生活保護を受けられる人たちが相当数漏れていることなどを説明した。
もうこういうデマは、粛々と、地道に足元から正していくしかない… (幸いその友人は、「そうなんだね」とすぐに分かってくれたようでまだ良かった。)

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf


まあ、黒澤映画からずいぶん飛躍してしまったが、そんなことをつらつらと考えた一日でした。

それにしても昔の俳優さんだからといってみんながみんな演技が上手い訳ではないですね… 特に子供や女性の演技は見てるとこっぱずかしいほどですな。

でも、「赤ひげ」良かった。
ところどころでしっかり泣いた… 〇〇が死んでしまうところでは嗚咽してしまった…

黒澤映画、いろいろ見てみたいんだけど、なかなかご縁が無いんですよね… 
お恥ずかしい話、小栗映画とかも全然見たことない… Netflix とかに置いてくれたらいいのに… (今、もしやと思って見たけど、やっぱり無いね… ていうか日本映画ほとんどない… ←カナダのNetflix  韓国の作品は結構ある…)


という訳で結局今回も日本ディスになってしまいました!

おしまい!



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