自分の生き方は自分で考えて決めましょうというお話



数年前に、中途採用で入った会社をリストラされたことがありまして。
その時の辛さ、感じた世間の世知辛さ等々は枚挙にいとまがないのですが、今日書きたいのは、人生の岐路(?)に立たされた時、人の言うことに流されて、結果大後悔することになった実話についてでございます。



当時は不幸中の幸いといいますか、退職金がかなりの金額積み増しされておりまして、完全なる会社都合による退職だったので、失業手当も申請すればすぐに支給されるという、今思えばかなり恵まれた状況だったのです。

そこで当初わたくしは、1年くらいどこか欧米へ語学留学でもしようかな~と考えたのでございます。で、無料の留学カウンセリングに申し込み、意気揚々と出かけたところ、な、な、な、なんと、そこのカウンセラーに「就活をせい!」と一喝され、「あなたには留学を紹介することはできません!」とまで断言されたのです。
そのカウンセラーは当時のわたくしよりもちょっと年上、といった女性で、転職活動の際に相当な苦労をされたのだそう。で、30代半ばでリストラのターゲットにされておきながら、へらへらと「留学したいんでっす。オカネはあるんでっす」などと完全に世の中をナメた体で現れた同世代のわたくしに、おそらくは激しい戦慄と、怒りにも似た衝撃を受けたのでありましょう。

いやー、かなりの剣幕でしたね。そして留学エージェントで、紹介を断られるという衝撃体験により、わたくしも完全に判断力を失い、「そうか、そうだよな」と妙に納得。
他にも、当時の会社の同僚、諸先輩方から、「仕事やめて留学なんて一番ヤバいパターンでしょ」「一度無職期間ができたら、二度と仕事決まらない」等々ボロカス言われ、更にネット上でも、「語学留学なんてアホのすることで、プラスアルファ(たとえばMBAwとか、金融とか)を学ぶくらいでないと、30代の留学なんてデメリットしかない」などの文言が怒涛のように噴き出しておるのを目の当たりにし、だんだんと自分の発想に自信を失っていったのでございます。

で、「そうか、じゃあまず就活してみっか!」ということで、在職中に就活を始めたところ、結構あっさりと決まったのです。なんだよ、決まるじゃん、正社員。
で、「これで心配していた空白期間もできないし、まあ留学はできなかったけど、みんなの言うとおり、真っ当な人生を送れる」などと今の私がシバキ倒したくなるような頭空っぽな状態で安心感に浸っていたのであります。
が、ですよ。

フタを開けてみたらその会社はいろいろとヤバく、まあ中小にはとてもありがちな展開なのでしょうけども、残業代をちゃんともらえないとか、有休が取れない等の問題に加え、し、仕事が… くそつまらなかったのでございます。おまけに絶対に嫌だった制服も着用必須と言うトドメまで。

そんな環境で日々過ごす中で、私はまた考えるようになったのでございます。
「こんな面白くもねえ仕事して、しょーもない制服着せられて、朝からお茶くみだの掃除だのして、まともに給料ももらえず、有休もとれないような生活で、これから何十年とやっていくのか…?正社員のメリットって何?こんな人生を歩みたかったのか私は?」等々、悶々としたあげく、結局3か月の試用期間で退職することを決断したのでありました。

で、またそこから空白をおかずに、派遣社員としてやってみたかった仕事にトライすることになったのであります(そこも結局1年くらい?で辞めましたがw)。で、その後は留学、旅行、派遣、の∞ループに陥る。(でもその方が楽しい)

試用期間といえども、たった3ヶ月ポッチで辞めてしまったので、職歴には傷がつき(保険の履歴でばれてしまう)、もらえるはずだった失業手当もフイにしてしまい、後から本当に本当に後悔しましたね。

数年たった今思うのは、やっぱり周りの意見に流されたのが敗因だということです。
そしてよく考えてみれば、あの時私にアドバイスをしてくれた人たちは、みーんな普通の会社員だったのです。違う世界を生きる人の話を聞かず、新卒で就職して、ずーーーっと会社員として生きてきた人たちだけだったので、もちろん彼らは他の生き方を知りません。そんな人たちに意見を聞いても、返ってくる答えは同じに決まっているのです。
そしてもちろん、その人たちを恨んだりはしていません。彼らは、彼らの人生経験をふまえて、ベストだと思える助言をしてくれたにすぎないのです。

結局、偏った人種に意見を求め、それに自分の発想を押し流されて、決断したのは私自身なのです。だからこそ、今でも思い出すと心底悔やまれるのです。
やっぱり自分が思った道を行けばよかった。それでのちのち後悔することになっても、そっちの方がよっぽどマシだったなと。

残念ながらもう後戻りはできないので、これは苦い教訓として今後に生かしていくしかないなと思っています。
そして、別に仕事に限らず、時々そういう場面はやってくるなあと思います。
人から見たらバカだのダメ人間だのと思われることでも、自分が正しいと思えば、やっぱりそれはやってみるべきなんじゃないかと。もちろん、いろんな人の意見を聞いて、自分の言動を客観視することはとても大切です。

でも、「人がこう言うから」「世間が許さない」とか、そういうことが判断基準になってしまうと、あとから振り返ったとき、やっぱり後悔するんじゃないかという気がします。
自分で決めたことなら、同じ後悔でも納得がいくんです。
なので、安易に周りの意見に流されず、時々、「コレは本当に自分がしたいことなのか」「自分で決めたことなのか」と、自省することが大切かと思われます。

長々書きましたが、私のしょうもない人生訓のひとつをご紹介いたしました。
人生まだまだ勉強です~!




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