気付けば夢がかなっていた話

 


気が付いたら夢がかなっていたというお話です。
ステキそうなタイトルですが、例のごとくしょーもない話です。心して読むように。

先日、職場近所のTim Hortons へ行ってコーヒー買ったあとに、「あ、前に願ってた夢がかなってるやん…」と、突然気づいたのでございます。
その夢とは何か。
ちょっと書くのをはばかられる程度には恥ずかしい内容なんですが。

このブログにも何度か書いている通り、私がカナダに来た理由というのは、「海外で暮らしてみた~い☆」というアホ丸出しのスーパー浅はかな考えからだったのでございますが、その際に私が思い浮かべていた光景というのが、ローカル感あふれるお花屋さん()や顔見知りのカフェのおじさんなんかが「おはよう、今日もべっぴんだね」とか何とか話しかけてくれるという代物でした。(我慢して読んでね。)

イメージは完全にパリ、もしくはどこかわからんが、とにかくこじゃれたヨーロッパの町である。何度も言うが、アホである。四十路直前でそんな妄想をしていたのだから始末に負えない。
まあ、とりあえず「地元に行きつけのお店があり、町を歩けば顔なじみがにこやかに挨拶をしてくれる」というイメージを抱いていたのである。

結果として、ヨーロピアンの小粋でオサレな雰囲気に憧れていたはずなのに、「英語を話せるようになりてえなー」という至極シンプルな願望に上書きされ、結局は消去法で選んだカナダにやって来たわけではありますが…(イギリスは経済的事由により却下)

最初に住んでいた町は、人口、発展具合、オサレ度、何を取っても中の下、中途半端さ炸裂のエリアであった。(超失礼)
さらに私はといえば、当初の妄想などキレイさっぱり忘れ、地味にカレッジとシェアハウスの往復で日々が過ぎてゆくのみ。
お金もないのでレストランやカフェなどに行くこともめったになく、当然顔なじみの店などできるはずもなし。
ひたすら地味~に地味~に、日々つつましく暮らしておりました。

それからはや幾年月(大袈裟)。

なりゆきで流れ着いた町で、まさか上記の妄想が叶おうとは。
(厳密に言えば、当初のイメージとはだいぶ乖離があるのですが)

話は戻って最初のTim Hortons である。
職場の近くということもあり、特に最近、ちょこちょこコーヒーなどを買いに立ち寄るようになったのである。
詳細説明は端折るが、いつもいるとっても感じの良い店員さんが、私の友人と仲良しということが判明して、それ以来お店へ行くたびにその人とちょこっと話すようになったのです。

で、先日もまた、コーヒーが出てくる間にちょいと話して、またねーと店を出て来たあとに、「あ、夢がかなっとる…」と気づいたわけです。

地元に顔見知りができてる…と。

パリでもなけりゃ、オシャレカフェでも、お花屋さんでもないけどな!

でもなんか、私としては、かなり、喜びがじわじわとこみあげてきたのです。

これは、先日スーパー行くときトコトコ歩いていたら、車で通りがかった同僚が名前を読んでくれて、手を振り返したときの幸福感と同じである。

つまり、「あ、私、この町になじみつつある」という感覚である。(錯覚かもしれんけど。)

私が抱いていた妄想の重要ポイントがここなのである。
それがいつの間にかかなっていたというお話なのです。

めでたしめでたし。
と思ったが、さらに少しだけ考えてみた。

なぜ、私の(しょうもなさ全開、アホ丸出しとはいえ)夢がかなったのか。

別に、私がそれを強く願ったから、とか、日頃の行いが良かったからとかではなく
単純に、行動したからなんだろうなと思った。

もちろん、そんなアホな妄想のためにカナダに来たわけでもなんでもないが、少なくとも「海外に住んでみた~い」と思って、実際に海外に来たわけです。
カナダが合わなくて速攻で帰国する可能性もあったし、四十路直前で仕事辞めてアホちゃうか、という気持ちはもちろんあった。が、とりあえず私はカナダに来てみたのである。

その結果、すっかり忘れていたかつての妄想がかなったのである。

日本の快適な実家でゴロゴロしながら、「あー、海外で暮らしてえなあ~。行きつけのカフェなんかで、顔なじみのギャルソンと小粋な会話なんかしてみてえなあ~」なんていつまでも妄想していたって、やはり動かなければ妄想のままなのである。

まあ、単純な話ですね。

そして「夢がかなった」と言うには、あまりにも些末でくだらなくてお恥ずかしい代物ではございますが…

でもこういうの、悪くないなあと思いました。

また何か妄想して、いつかかなえてみたいなあなどと考えております。


fin






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