大人留学のために仕事を辞めるのはアリなのか?
留学をしたいけど、仕事をやめる勇気がなかなか出ないという社会人の方も多いのではないでしょうか。よっぽど理解のある職場や太っ腹な会社ではないかぎり、そうそう長い休みというものは取れないことがほとんどでしょうから、やはり留学をしたいとなると、退職を選ばざるを得ません。
看護師さんとか薬剤師さんとか、一度仕事を辞めたとしても、比較的簡単に再就職しやすい職業ではない限り、今の仕事を辞めてまで留学すべきかどうか、悩んでいるという人も多いかと思います。
前にも書きましたが、私の場合は、しょーもない末端の派遣社員だったので、(ものすごく恵まれた職場だったのでもったいないという気持ちはありましたが)辞めても失うものがほとんどなかったというのが、それほど悩まずに退職できた理由です。
もしも自分が大手企業で福利厚生バッチリの正社員だったら、はたまた公務員だったら… 同じ選択をしていなかったと思います。多分…
「大人留学」でググると、やはり留学エージェントのサイトが多く、もちろん彼らは「悩んでいる時間がもったいない!」「思いきって留学して良かった!」といったポジティブな事例しか紹介しません。そりゃそうだ。
まー極端なことを言えば、その人の人生一度きりなので、やりたいと思ったことならどんどんやってみんしゃい、と思う気持ちもうそではない。
しかし、「語学留学してみた~い」という気持ちで、たとえば大手企業の正社員の友人が仕事を辞めようとしていたら、やっぱり一度は止めるかもしれない。
それがもし、「学生時代興味があったけどあきらめた〇〇の研究をしたい!それをやるにはアメリカの〇〇大学の△△先生のもとに行かねばかなわぬ!」とか、まあそこまでいかずとも「大学院留学して、現地の永住権を目指すぜ」とか、それなりの理由、プランがあって、更に「金なら心配するな」という言葉が聞けたら止めません。全力で応援する。
まー、ブラック企業で毎日残業続きでクソ上司とクソな同僚に囲まれてもうこのままだとメンタルやられそう!とかって人が、現実逃避とリフレッシュも兼ねて、退職して語学留学する!っていうのもいいと思います。
と、ゴチャゴチャ書いてきてわかった。
仕事を辞めるデメリット ≦ 留学するメリット ならいいんじゃないでしょうか、ってことだ。
なんかこう書くとめっちゃシンプルだな…
でも結構、「留学したい!」って気持ちが高揚すると、ここ忘れがちになってしまう気が。
今の仕事がクソみたいな給料であるとか、クソみたいな労働環境っていうんだったら、辞めて留学しても何の問題もないでしょう。(おカネさえあれば!)
すごく恵まれた職場で、だけど退職して留学して得られるメリットが、辞めるリスク、デメリットを上回るというのであれば、それもまた良し(おカネがあれば!)
もちろん、全てが想定通りにいくとは限りませんので、最終的にはバクチにはなりますが。
だからこそ、辞める前に、あらゆる状況を想定しておくことが大切かと。
あと、これは大人留学に限らず若者たちにも言いたいが、金借りてまで留学するのはどうかなと思うよ…(もちろん、返せるめどがたっていて、あくまでも一時的に立て替えてもらうっていうならいいかもしれないけど。)
我ながら「金、カネ」言い過ぎとは思うけど、留学ってマジで、ほんっとうに!おカネかかりますから!
教育ローンとか借りてまで留学して、その分取り返せる勝算どれだけあるの…?って思う…
アメリカのロースクールとかなら違うんだろうか…?でもそれだって途中で挫折したり、事故や病気して撤収するリスクはあるわけだし…(それ言ったら何もできんがw)
って、めっちゃ身近に、まさにそのパターンの若者がいるんですけどね…
まあ親御さんの実家がめっちゃ資産家でいざとなれば後ろ盾があるとか、ローン借りても痛くもかゆくもないほどの年金が出るとか、なんかそういう事情があるならいいと思いますけど…
余計なお世話とは思いつつ、ちょっと、どうなんかなあと思ってしまうのです。
まあ、親としてはやっぱり、子供が「留学したい」って言ったら、行かせてやりたいと思うよね…
しかし大人が留学しようって時に借金するのは頂けません。
留学して帰国したときに、どんな仕事に就けそうか。
万が一の事態で、途中で留学を断念、撤収した場合、仕事が見つかるのか。
仕事が見つかるまで生活できるだけの貯金は確保できそうか。
これくらいのことは、大人留学を考えるなら想定しておきたいものです。
特に語学留学の場合、目に見える成果(TOEIC高得点とか)を提示しない限り、日本の企業にとってはなんのアピールにもなりません。むしろ、残念なことに未だに日本では、社会人のブランクは敬遠される傾向があります。
正規留学だって同じことです。よほどその業界に関連した専門的なことを学んだのではない限り、「なんでわざわざ仕事辞めて海外の大学行ったの?」としか思われない可能性の方が高いです。保守的な会社だと、「使いづらそう」と思われてしまうかも…(ホント、いかにも日本的でくそみたいな発想だけどな!)
さらに言えば、よく言われることではありますが、社会人の場合、語学ができるだけではたいしたアドバンテージにならない可能性も高いです…
そのあたりのことをどう考えて、帰国後、どんなふうに自分をアピールして転職活動をするのか。多少でも、考えてみることが大切かなあと思います。世知辛い世の中だよ。
「えっ、キミ留学してたの?面白いね~、採用!」くらい言ってほしいもんですわ。
もちろん私のように深い考えなしにボーッと渡航して、「もうちょっといたいな…」と思い、運よく仕事が見つかる、というケースもあるでしょう。(そしてその仕事をクビになり、泣く泣く帰国、という可能性もありますな)
逆に、夢いっぱいで渡航したはいいが、理想と違いすぎて数週間で撤退、という人もいるでしょう。(私の知り合いで、ワーホリでオーストラリア行って、一日だか二日で撤収した猛者がいたよ…)
こんなふうに、想定外のケースもたくさんありうるとは思います。
帰国後、就活中に生活しているだけの蓄えがキープできるのか、留学先で事故や病気に遭ってしまったら?等々、が、あらゆるケースを想定しておくことが大人には必要かなあと思います。特にアラフォー以上ともなってくると、健康面のリスクも出てきます。体調を崩しやすいというだけではなく、考えたくない疾病が見つかったり、泣く泣く帰国をせざるを得なくなる可能性も、残念ながら若者よりは高い。
「思い立った時が行き時!」という考え方は魅力的ではありますが、残念ながら社会人にはもうちょっと思慮深さが必要ではないかなあと個人的には思います。
NEOMONEY
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