専業主婦になりたいですか?
ちょっと前に、現代の女子大生の多くが専業主婦願望があるらしい!というニュースが巷を騒がせましたね。ハウスワイフ2.0なんつー本がアメリカから出版されて物議を醸したり。結局女性の幸せって、男性並みにバリバリ歯ぁ食いしばって働くことじゃなくて、やっぱり結婚して子供を産んで、家族のために家のことをいろいろやるってことなんじゃない?みたいな風潮が一瞬蔓延したような、しなかったような。
しかしそんな空気はいつのまにかふわふわとかき消され、「日本死ね!」の叫びによって完全に吹き飛び、脳内お花畑の女子大生の理想なんか知ったこっちゃねえ!嫌でも共働きしなきゃ暮らしていけねえんだ!という結論に収束したのが、昨今の日本社会… ですな。
というか、当の女子大生たちとて、「結婚したら、家庭を守るのが女性の役目だと思うんですぅ♡」と心底思ってたわけでもなんでもなくて、ただ、仕事に家事に育児に、更には介護にまで心身をすり減らす先達を目の当たりにした結果、「あんなのはワリに合わない。わたしゃゴメンだわ」という実に真っ当で尤もな発想から、あくまでも願望として、そしてもしかしたら消去法の結論として、「専業主婦になりたい」と述べただけであって、本気で今の世の中で専業主婦になれると思っているとは考えづらいのであります。
ちなみにハウスワイフ2.0だって、パラパラ立ち読みしただけだからよーしらんけど、ハーバードとかなんだかとにかく超名門大学、大学院を卒業して、まばゆいほどのキャリアと地位を手に入れた女性たちが、「やっぱコレジャナイ」ってことで、専業主婦になりますた!というもはや一握りの女性だけを指した、いわば夢物語、フィクションのようなものだとわたくしは考えております。そもそも欧米で専業主婦を選択できる時点で、相当恵まれた階級の人ってことになりますしおすし。
つまり、「バリバリのキャリアを積んで邁進することもできたけど、あえてこっちの道を選んだ」わずかな女性たちの生き方なんですよね。ただの主婦とは違うから、「ハウスワイフ2.0」と銘打ってるわけで。
で、じゃあ、もし自分がそういう選択をできる立場にいたら、皆様はどうされますか?(そもそも結婚してない立場でこんな想定してるのが泣けるような笑えるような、ですが)
旦那様の稼ぎだけでそれなりの生活がしていける立場だったら、やっぱり働きたくない?
でも、もし旦那様の会社がつぶれたら?旦那様が事故にあったり、病気になって、働けなくなったら?等々の万が一を想定すると、やっぱりかなりリスクが高いような気がするのは私だけ?じゃあ、旦那様にもしものことがあっても困らないくらい、莫大な資産があったら?う~ん、どうでしょう?
これはモテない女特有の残念な症状かもしれないのですが、そういうシチュエーションに、なんというか、負い目を感じ… るような、ないような。
でもなあ、「私が家のことをしっかりやっているから、旦那様が仕事に集中できる!」という自負があれば、そんな負い目など感じないのかもしれません。
うーん、でもやっぱり、私はピンとこないなあ。どうしても「人のオカネで暮らしている」という意識が抜けないかも。かといって、仕事も家事も、バリバリできる自信も到底ないので、なんだ、やっぱり私が未だに独身なのは必然なんだな、と改めて深く納得する真夏の夜のたわごとでございました。
あ、あと不思議なのが、こういう流れの中で男性たちがどうして、「なんで男が食わせるのが当たり前みたくなってんだよ!」みたいな声を上げなかったこと。もしかしたら多少はあったのかもしれないですが。
あと冒頭に書いた「男並みにバリバリ」みたいのも、よく考えるとヘンですよね。別に男だからとか関係なく、バリバリ働く人もいれば、そうじゃない人がいてもいいわけで。でもそういう方向に話が広がった気配は感じなかったのですよね。私が知らないだけなのかしら。もし「こんなムーブメントもあったよ~」的な情報をご存知の方おられましたら、ぜひご一報くださいませ。