住んで5年、カナダの闇が見えてきた
日々、ボーっと過ごしていたら、いつの間にかカナダに住んで5年を過ぎておりました。このブログでも何度も書いている通り、もともとカナダに住みたいとか、特に思い入れがあったわけではないので、たいした期待も抱かずにやって来たんですが、やはり5年ともなると、当初は認識できていなかったカナダのダメな部分、闇だなあと思う側面が見えてきたので、今日はそのへんのことについて書いていきたいと思います。(それぞれの事項について、私は決して詳しい訳ではないので、気になった方はぜひご自分でググってみて下さいませ)
①医療事情が結構ヤバい
まずこれですね。多分、カナダに長く住んでいる人ならほぼみんな同意してくれるのではないかと。
記憶がだいぶボンヤリですが、マイケル・ムーアの「Sicko」というドキュメンタリー映画で、高額で狂ったアメリカの医療事情と比較して、カナダの医療はタダ!素晴らしい!って感じで取り上げられていた通り、カナダでは医療費が基本的に無料です。(処方薬は自腹)日本の三割負担よりもお得!すごい!って、思ってたんですよね、私も。
しかし、実際にはカナダの医療システムは(もちろん地域差もあるとは思いますが)結構ヤバい状況で、実際にお医者さんに診てもらえるまで数時間待ちとか、専門的な検査や手術は数ヵ月待ちというのが当たり前。私が住んでいる地域では、夜間救急に駆け込んでも、数時間待ちはザラのよう。ドクターが一人しかおらず、緊急度が高いと判断された人(要は命に関わる状況)から順に診ていく方式のようです。救急なのに数時間待ちって一体…
要は、医療職従事者が足りてないんですよね。もともとドクターやナースが足りなかったところに、コロナによるパンデミックが拍車をかけた模様です。
カレッジ時代に何かのクラスで聞いた話ですが、アメリカからはバカ高い医療費を払うのを嫌った患者たちがカナダにやってきて、カナダからは、長い待ち時間にしびれを切らした患者たちが、お金を払ってアメリカで医療を受けるという謎の現象が起きているとか何とか…
若いうちはいいけども、年を取って病気がちになったとき、カナダがこの貧相な医療状況のままだったら、老後、果たしてここで暮らしていけるだろうか…という不安が正直拭えません。
②先住民に対する過去のエグイ政策
これですね、去年、カナダ全土に衝撃をもたらした一件ですが、移民大国を標榜するリベラルな国というイメージを覆すような、真っ黒な過去が明るみになりました。
詳細はこことか、こことかにあるので、ぜひ読んでみて欲しいのですが、要は、過去に先住民の子どもたちをむりやり親元から引き離し、白人社会への同化教育を寄宿学校で行っていたのですが、その子供たちが虐待、暴行を受けていたり、親元に返されることなく亡くなっていたという恐ろしい闇が、カナダにあったと。そしてそういった子供たちの遺骨がカナダ各地で今になって見つかって、国中にショックを与えたと。
「アンという名の少女」というドラマでも取り上げられていました。(ドラマでは、自らの意志で寄宿学校に入ることを決めていますが…)
というかですね。私もまだまだ知識不足なのでアレなんですが、この先住民に対する差別的な風潮というのは実は今でも根強くて、今でも時折、目を疑うようなニュースが流れてきます。この事件とか、まだ記憶に新しい。
移民が多くて、お互いのカルチャーを尊重し合う素晴らしい国カナダ!というイメージが強いですが、実はこんなダークな側面があるのだな… と、最近になって(遅い)分かってきました。
③留学生、移民への搾取
これ、まさに自分ごととして実感しておるのですが、そんな甘っちょろいもんじゃないということを、昨日見たドキュメンタリーで思い知らされました。黒い、黒すぎる。
このドキュメンタリーはインドのケースだけ取り上げていましたが、しかし、例えば留学生の授業料が、ローカル生のそれに比べて5倍とか、結構身につまされる話もあり。
特にここ最近感じていた「結局、"カナダ人”がやりたがらない仕事を、留学生や移民があてがわれて、それでカナダの社会が回っている」という現実をより生々しく感じたといいますか。
特に先日、IRCCから発表になったコレ。簡単に言うと、今まで通常、週に20時間までしか働けないよという縛りがあった留学生に対して、一時的に、その縛りを撤廃するよ、というもの。
いやー… 正直、ちょっと引いたよね。露骨だなあと… もちろん円安や高い授業料や生活費に苦戦している留学生の中には、このアナウンスを歓迎した人もいたとは思うですが、私は「ここまで露骨に、留学生=労働力、という図式を晒すか…」と思ったんですよね…
コロナによって季節労働者や、留学生、ワーホリの数が激減して、「みんながやりたがらない低賃金の、キツイ労働」を担ってくれる労働力が減ったので、こういう手段に出たのがあまりに露骨でね… (しかも、言うて実際に学業の傍らで働ける時間、職種なんてたかが知れてるので、政策としてもお粗末やなと…)
まあ、これはどこの国も同じですよね。日本も(というか、もっと酷いかも)技能実習生に対する扱いが問題になっているし、オーストラリアなんかも、農場でワーホリを働かせることでなんとか社会を回してるし(よく知らんけど)。
だから、カナダだけが特別どうこう、って話ではないんですが、まあ、なんかこう、クリーンで清廉潔白なイメージに見える分、エグみが深いと申しますか…
と、たいして知識もないまま、雑につらつらつらと、カナダのダークサイドについて書いてきました。
まあ… 当たり前のことですが、完璧な国というものはないですね…
長く住めばそれだけ、欠点も見えてくるし、それでもまあなんとか受け入れて暮らしていくか、ここやべえ、と思って出て行くのか‥ それは個人のチョイスですね、ということで!(って永住権も取れてないのに言うのもアレですが)