男の浮気を許すのがいい女なのか
某有名歌舞伎俳優が文春砲に見事撃ち抜かれまして、といいますか、ゲス不倫をすっぱ抜かれる有名人があまりにも多すぎるもので、もはやこの世には浮気しない男などいないのではないかという気にさえなってきている今日この頃なんですが、その歌舞伎俳優の妻が「名口上」で名を上げたと、ネットニュースで見たわけでございます。
まあ、ひらたく言うと、「亭主の浮気にブチ切れて離婚を切り出したりするわけでもなく、きつ~くお灸をすえて、でも世間様の前ではあくまでも夫を盛り立てるような気の利いたコメントをそつなくこなした立派な奥様」という評価だった模様です。
で、このニュースに対するコメントも「さすがだ」「夫より一枚上手」「器が大きい」的な、褒め称えるようなものが多数を占めておったのですが、なんだかなー… なんといいますか、ここでもひねくれ独身アラフォーは、大いなる違和感を感じてしまったわけでございますよ。
こんな芸能ニュースにいちいち引っかかってる自分もどうかとは思うのですが、でもこういう時に、いわゆる世間の女性観というか、ジェンダー的観念を目の当たりにしてしまい、ガッカリすることが多いんですよねー。
いや、一個一個のカップルとして見た場合に、浮気した旦那をシバキ倒して離婚しようが、一度許してやり直そうが、そんなこたー各々の勝手にすればいいんですよ。
でもですね、「浮気は男の甲斐性」とか「芸の肥やし」とか言って、男の愚行はあま~くゆる~く許容されて、更にそれを許すような女が「できた妻」やら「器が大きい」などのような戯言でもてはやされるのは断じて違うだろうと。だったら何かい、浮気した旦那にブチ切れて離婚を切り出したりするような女性は「器が小さく、ダメな妻」なんかい、そういうことかい?と、世間に対してキレ気味に問い詰めたいわけです。単にアホな男にとって都合のいい女をおだてて持ちあげてるだけちゃうんかと。
某五体不満足の彼なんかも、まあこの方も場合、浮気はもはや常習者だったようですが、奥様にまで罪を被せるような意味不明の声明文(?)を公開して、さすがにこれは大バッシングだったようですが、この歌舞伎役者の奥さまも、「自分にも至らぬ点があった」とか何とか、まさに戯言をおっしゃっているようなんですよね。
マ・ジ・でこういうのやめてほしいと強く思います。浮気された本人自らそんなこと言ってどーすんだよと。だから「浮気された奥さんの方にも原因がある」とかバカなこと言う風潮がいつまでたっても無くならないんじゃないの?そういう空気を作り出す一助になっていると自覚してもらいたいもんだね!と、相変わらず自分には1ミリも関係ない世界のことで怒りに震えるアラフォー。
なんとか美談にまとめたかった的な五体不満足な彼のところだって、結局離婚に至ってますからね。じゃああの意味不明な夫婦仲良くやり直します的なパフォーマンスは何だったんだ。あの時点ではもしかしてJ民党からの出馬をまだ完全にはあきらめてなかったってことなのかしら。謎が残りますね。
こういうのが男女逆だったらどうかと考えてみると、絶対浮気した妻に対しては激烈なバッシングが浴びせられるんでしょうねー… 某Bッキーなんか(独身だったにも関わらず)ものすごい叩かれようでしたからね。まあ、他の件との世間様の温度差を見ると、ただ単にみんなBッキーが嫌いだったから、ここぞとばかりに叩いてるんじゃないのと思いましたが。正義の味方ぶってるだけタチが悪かったですね。日本全国でいじめをしているような構図でしたな。
ついでに私個人としては、もちろん不倫が悪いなんて誰でも分かってるとは思いますが、今まで興味のなかったBッキーが少し好きになったというか、ああ、純粋で一途な子なんだなあと思いましたね。
人って、それまでどんなに真面目に地道に人生を歩んできていても、恋愛でいきなり道を踏み外してしまうとか、頭イカれたとしか思えないような行動をしてしまうってこと、少なからずあると思うんですけどね。そういう現象に年齢は関係ないけど、特に経験値の低い若い頃はブレーキがかかりづらかったり、「これが!運命だ!」みたいな感じで突っ走りやすいんじゃないかと思うのですね。
加えて、なんか、いかにも日本的な事象だなーと思ったんですよね。恋愛という最強に個人的な事柄を傍からワーワー言ってバッシングしてるところとか、あとは「結婚は絶対!不倫は悪!首括るまで追い詰めるくらい叩いてもOK!」みたいな風潮とか。あれがたとえばフランスとかだったら(イメージですが)、完全にスルーされたんじゃないですかねーと思いました。
何よりもあの件で怖かったのは、なんであの二人の会話がダダ漏れになったのかが全く追究されなかったことですよ。怖くないですか?私はその点が一番気になったかも…
話がズレまくりましたが、まあ日本はまだまだ、女性にとっては生きづらい世の中なんだなと感じさせるニュースでしたね。結婚している女性には「忍耐」「(男にとっての都合が良い)器の大きさ」「(男に恥をかかせないための)機転」等が求められ、独身女性には「貞淑」のようなものがまだまだ求められている… ってこういうの、なんか戦前とかと変わってなくないですかね?! 書いててなんか衝撃ですわ。
あともう一つ思ったのは、こういう「夫を立てる妻」って、結局自分の人生が二の次になっちゃってるんじゃないかということです。「役者としての夫を支える人生」「子供たちを立派に独立させる人生」とか、「自分」の優先順位が低いのですよね。もちろんそれが彼女たちの選んだ道なら別にどうでもいいんですけども、そういう生き方が一般の、他の女性たちにも強制されるのは間違ってると思うんですよね。強制、というのが違うというのなら、期待と言い換えても良いですが。
まあ実際私は結婚の経験すらないので、外野からあーだこーだ言ってるだけにすぎないですが、もっと「結婚して名前変えたくない!」とか「仕事辞めたくないから、旦那一人で単身赴任してもらう」とか主張する女性がもっと増えてもいいんじゃないの~と思ってしまいます。(そもそも制度の方をもっと何とかしろよと思いますが)
ついでに言えば「男だからってなんで事務職になれないんだ!」とか「男だけど時短勤務して子供ともっと一緒にいたい!」とか言う男性が増えたっていいと思うんですよね。日本の男性もある意味、自分の人生を優先してないもんね。というか、自分の人生についてあんまり考えてない人が多い気がする。「男はこういうもんだ」みたいな短絡思考で。って、失礼なこと言ってますね。すみません。
しかしつくづく今年は不倫ネタが続くなあ。まあ恐ろしい事件が続くよりもよっぽど平和でいいと思いますな。本当に報道されるべきことが、ちゃんと報じられているのかどうかは、また別問題かとは思いますが…