ワーホリ、COOP留学からカナダ永住権は狙えるのか?

 


昨日書いたブログが結構多くの方に読んで頂けたようで、新年早々喜びに満ちております。ありがとうございます。
というわけで調子こいて、ということでもないんですが、今日もブログを書いていきたいと思います。内容はタイトルそのまんまなんですが、ツイッターとか見てても、チラホラと、ワーホリやCOOP留学でカナダにやってきて、できれば永住権を取りたいと考えている若人たちがおられるようです。(そんなに多くはなさそうだけど)

で、またしてもカナダの地で、永住権申請をめぐり、散々な目に遭ったわたくしが、こちらのテーマについて考察してゆきたいと思います。しかし、私は自分が申請したストリーム周辺のことしか知らんので、多分、ちょいちょい事実誤認等があると思います。その際はツッコミをして頂けると幸甚です。


はい、まずは結論からです。


①ワーホリ、COOP留学からカナダ永住権は狙えるのか?

    →ぶっちゃけ、相当難しいと思います

すみません、のっけから夢も希望もない。
なんでそう思うのか説明させてください。大きな理由は以下の2点です。

  1. ワーホリ→そもそも就労期間が足りない
  2. COOP→ワークパーミットが出ない

カナダの永住権ってひとことで言っても、その申請方法は星の数ほど(言い過ぎ)あるのでひとくくりにして語るのは不可能なのと、私はプロのコンサルタントでもなんでもないので、あくまでも経験をもとにした一個人の考えとして読んでもらいたいのですが、まず1つめ。ワーホリから永住権を狙いたい、という場合。

まず、ほとんどの永住権申請ストリームって、たいてい1年以上のカナダでの就労経験が条件になってると思うんですよ。
で、またほとんどのワーホリさんて、カナダに住んで働ける期間が1年チョイだと思うので、カナダにやってきて即、働き始めて、やっとその条件が満たせるかどうか、って感じだと思います。(もちろん例外はあります)

さらにたとえば、これは、Canadian Experience Class (Express Entry)というストリームの一つですが、ここにあるように、働いてればなんでもいいってわけでもなく、週に30時間以上のフルタイムとして1年間、とかちゃんとした決まりがあります。
永住権申請時にはそれをちゃんと証明できるような書類を出すことが求められますから、雇用契約書とか給与明細を発行してくれないような怪しい雇用主のもとでいくら働いても、条件として認められません。
ワーホリの就労経験だけで永住権申請につなげようと思うと、一般的なストリームの場合、カナダに渡航してきて即フルタイムとして就労して、12か月間コンスタントに週30時間以上働く必要があるわけです。
こうやって考えると、かなり難易度が高い、と思わざるを得ませんね…

次にCOOP留学で渡航してきて、そのままカナダに残って永住権を申請したい、という場合。これは正直、上で書いたワーホリからの申請よりもさらに難易度が高いかと思われます。
なぜなら、いわゆる私立カレッジでのCOOP留学の場合、DLI (Designated learning institutions) と呼ばれる学校でない限り、PGWP (Post-Graduation Work Permit Program) という就労ビザが発行されないので、もしも卒業後にカナダに残って就労したいと思った場合、ワーホリに切り替えるか、もしくは雇用主を見つけてワークパーミットをサポートしてもらうしか選択肢がないからです。
(ちなみに、COOP期間中の就労経験は、あくまでも学業の一部として考えられているため、永住権申請時の就労期間にはいっさいカウントされません…)

運良く、たとえばそれまでのバイト先やCOOP先の雇用主がワークパーミットをサポートしてくれることになったとしても、「ちょっとシフト減らすわ~」とか「業績悪化のため、レイオフします!」なんてなった場合、雇用主限定ビザの場合は一気に詰みとなります…(経験者は語る…)
これがPGWPなどのオープンワークパーミットであれば、急いで転職!ということも可能ですが、雇用主にサポートしてもらっているclosed のワークパミットだと、そう簡単にはいかないでしょう… 個人的な(思い出したくもない)経験の数々から、私は雇用主限定ビザで永住権を目指すのは、めちゃくちゃリスキーだと考えております。(他にも、悪い言い方をすれば足元を見られて搾取されたり等のリスクもめちゃくちゃ高いと思っています)

主な理由としては上記の2点を挙げましたが、他にも想定しておくべきハードルはあります。

③その他のハードル
  1. 英語力
  2. 就労経験、スキル

まー1つめの「英語力」ですね。これはもう個人差による、としか言えないんですが、一般的にワーホリの皆さんとかCOOP留学でやってくる皆さんて、おそらくですが、正規留学で渡航してくる学生に比べると、まだ勉強中という人が多いのかな、という印象があります。
実際にCOOP留学の宣伝文句として「公立カレッジや大学と違って、そこまで高い英語力が求められません」と書いてあることも多いようです。
で、これまた自分の経験をもとにして考えると、1年とかそこらで身につく英語力というのも、まあ正直たかが知れてるといいますか…(もちろんそうじゃない人もいっぱいいますよ!)
で、さっきのリンクにもあるように、ほとんどの永住権申請ストリームにおいては、相応の英語力が必要とされまして… 詳細の例はこのへん
なので、カナダに来てから準備し始めるというよりは、渡航前から日本である程度のレベルにもってきておく、ということが必要なのかな、と思います…。

それから、②の話ともかぶりますが、ワーホリとかCOOP留学って、その性質上、若い人がほとんどだと思うんですが、その場合、就労経験やスキルがないというケースが多いのかなあと。そうなると、永住権申請そのものでも不利になる以前に、そもそもカナダで仕事が見つかりにくいといった事態が起こりえます。
英語力も不十分、そして就労経験やスキルも足りない、それではローカル民や他の留学生たちと競えないですよね…(特大ブーメランが刺さる音)
最初に、ワーホリの場合はカナダにやってきてすぐにでもフルタイムで働き始める必要があると書きましたが、英語力や就労経験、スキルが全部そろっていて初めて想定できる状況かなと… (まれに英語力不問とか、未経験OKといった求人もありますが…)


…と、厳しいことばかり書いてきて、ホントに夢も希望もないな!という感じですね… 
どうしても個人的な経験から、シビアな状況ばかりを想定してしまうのですが、それでも絶対無理!というわけではありません。ワーホリやCOOP留学から永住権申請につなげる方法がないものか、ちょっと考えてみました。


④それでも永住権を取りたい!という場合
  1. 雇用主にサポートしてもらう
  2. 十分な就労経験、スキルがある
  3. いったん日本に帰って再トライすることも可

上でも書いた通り、雇用主主導のワークパーミットで永住権を狙うというのは、個人的にはかなりリスキーだと思ってはいるのですが、それでも中には真摯で協力的な事業主さんもいます。ラッキー中のラッキーで、そういう雇用主さんと出会えたなら、サポートしてもらって永住権申請につなげるというのも不可能ではないと思います。特に、なかなか人が集まらないような職種、業界だと、可能性は高まるかと。
しかしその時に気をつけないとならないのが、その業界、職種、ポジションが確実に永住権申請につながるのか?の確認と、もし突然、IRCCのポリシーが変わってしまった場合、プランBがあるのか?といった点かと思います。
あとは上にも書いた就労時間や書類の発行などについて、雇用主がきちんと理解していて協力してくれるのか、という点ですね… ここで結構モメるパターンがあるので、事前の確認は必須です。できれば過去にも永住権サポートをしたことのある事業主さんだと安心かなと…

次に、まあこれは身もふたもないんですが、本人にもともと日本での十分な就労経験やスキルがある場合であれば、ワーホリやCOOP留学からの永住権申請も、そんなにハードルが高くないとは思います。よくわからないけど、例えば幼児教育系とか医療系の資格、就労経験があると、だいぶ強いんじゃないかなーと。あとはIT系とかだと、COOPからそのままうまく現地企業に採用されて… というパターンもあるのかなと。

最後に、「いやどれも無理。サポートしてくれるような雇用主もおらんし、特に職歴、スキルもないです…」という場合。
ちょっと本題からはズレた回答にはなりますが、一度日本に帰って仕切り直すのいうのも、一つの立派な戦略かと思います。たとえば20代の方だったら、日本に帰って就職して、職歴とスキル、英語力を積み上げて、30代でまた永住権に再トライ、というのもかなりアリなんじゃないかと。というか、その方がむしろ勝率が上がる気がします(もちろんその時のカナダの移民受け入れポリシー、世界情勢などはまったくわかりませんが…)。
そのときに今度はPGWPを使うとか、職種によっては日本から申請できる永住権ストリームというのもあるようなので、「カナダの永住権を絶対取りたい!」という強い意志がある場合、時間とおカネをかけて挑む、というのはかなりアリなんじゃないかなと思います。
間違いなく、若さ=時間は武器になります!
(が、昨日も書いた通り、数年後に住んでみたら「アレ… 思ったのと違った」という可能性はゼロではないですが…)


と、今日もえらそーに長々と書いてしまいました。
何度も申し上げますが、わたくしは永住権コンサルタントでもなんでもなく、単に自分の苦い苦い経験をもとに好き勝手語っているだけでございますので、くれぐれも鵜呑みにはなさらず、参考程度に読んで頂けますようお願い致します。
また、読んでいて気を悪くされたり、「それは違うだろ!」って思われた方もいらっしゃることと思います。ホントすみません、お許し下さい。有益なツッコミや事実確認であれば大歓迎でございます。無益な罵倒はできればお控えくださいますよう、何卒お願い致します。

(あとは昨日のブログもそうなんですが、もっと細かく書きたいこともたくさんあるんだよね~…)

というわけで、とりあえず今日のところはこれでおしまい!


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