海外移住ってどうなの?

 




あけましておめでとうございまーす。
2022年は、初っ端から隔離生活させられたり、職場を追い出されたり、3日で仕事辞めて永住権取れないどころか、まさかの申請取り下げしたりと、振り返ってみるとロクなことのない一年でしたが(半分くらいは自業自得だが)、それでもいろんな方がブログを読んで下さったり、ツイッターで仲良くして下さったりで、結構幸せに過ごすことのできた年でもありました。
2023年も、もろもろまったく先行き不透明で不安しかないですが、まあネタにしつつブログをしたためていけたらなあと思っております。
というわけで、本年も何卒よろしくお願い致します。

で、今回は唐突なんですが、「海外移住」についてです。
なんか最近、海外移住する&したい日本人が増えているそうなので、カナダに住んで辛酸を(相当に)舐めたわたくしが、その現実について語ってみたいと思います。


「海外移住」と一言で言っても、人によってそのイメージは多少異なるのかもしれません。永住権なり市民権なりを取って、その地に骨を埋める覚悟で住むのか、はたまたビジターステイタスで、数か月や数年単位で住んでみることを指すのか。留学やワーホリも、「移住」と言えなくはないかもしれません。
が、そのいずれにせよ、最初に立ちはだかるハードルは大体以下の3つに分類されると思います。

①海外移住の三大ハードル

  1. 言語
  2. 仕事
  3. ビザ
なんといっても最大のハードルは現地の言語ですね… 駐在員など、現地でのサポートがそれなりに充実している場合を除いて、海外に移住したら、現地の言葉ができないのは死活問題。
ローカル言語がダメでも、英語が通じる地域というのはありますが、それでも長く住むにあたって英語だけで通すのはやはり無理がある&なかなかローカルに溶け込むのは難しいかも… ということで、やはりある程度のローカル言語ができないと海外生活は厳しいものがありそうです。

それから仕事ですね。パソコン一つでどこにいても稼げる、という素敵スキルの持ち主でない限り、現地で仕事を探すことになるかと思います。その時にもやはり必要最低限の語学力は必須になるでしょうし、ローカル民、場合によっては出稼ぎ労働者たちと競り合っていけるだけの職歴、能力、そしてガッツがないと、現地で仕事をゲットするのは厳しい…

そして仕事にも関連してきますが、絶対に必要となるのが、現地で長期的に滞在するためのビザですね。ビジターステイタスを更新し続けて長く滞在するという方法もありますが、その場合は原則として働いてはいけないはずなので、自分の貯金、もしくは資産を食いつぶしていくしかありません… また、いつ更新を却下されるかわからないというリスクもあるので、やはり現地で働けるようなビザを取得するのが理想です。が、国によってはこれがかなり難しいので、語学力やスキルという以前に、まずワークビザがとれるかどうか、というのが最大かつ、一番のハードルになるのは間違いないと思います。


やっぱり「海外移住」って難しいんだな… 無理だ… と思ってしまう人も多そうですが、他にも重要なファクターとして「そもそも自分が(&場合によっては帯同する家族が)現地になじめるのか?」という問題も大きいと私は思っています。
家族移住とか、駐在帯同とかでも、結構このへんの問題は無視できないのではないかと。
あとはたとえ単身だったとしても、実際に住んでみたらイメージと違った、食事が合わない、ローカルの文化になじめない… という可能性は大いにあり得ます。

じゃあ「海外移住」なんてほぼ無理じゃん!バクチじゃん!と思うかもしれませんが、(そして実際に否定はできませんが…)、それでも大金と時間、手間を投げうって失敗だった!無一文で撤収… とならないために打てる手はないのでしょうか。
私は2つあると思っています。


②おすすめのアプローチ
  1. 留学
  2. ワーホリ
はー?そんな単純なこと?と思われそうですが、まずはこの2つのうちのいずれかを試してみるべきかなと思います。

留学といっても数か月の語学留学ではなく、できれば年単位の正規留学が望ましいです。実際にローカルの学生と一緒のクラスで、少なくとも2年以上過ごしてみることで、だんだんと現地の様子が見えてくるはずです。お金も時間もかかりますが、果たして自分がその国、地域になじめそうか見極めることもできるし、いけそうと思ったときに、在学中にできたコネクションや学歴を、次のステップにつなげることが可能です。あと、正規留学の場合、国によってはアルバイトも可能なので、現地で働くという経験もすることができますね。

若い人だったらワーホリも良きかと。渡航前に入念な準備(資金、語学力、職歴)をしていけば、実際に現地で働くという密度の濃い経験ができます。国によってはワーホリでも2年以上の滞在ができたりするらしいので、そのへんをうまく使うのも良きかなと思われます。

で、この2つの滞在方法の何が良いって、撤収が容易なところです。
実際に住んでみて、「あ、自分には合わない」と思ったり「やっぱり日本に帰ろう」と思ったときのダメージが少なく済みます。
最初からいきなり「現地民に!俺はなる!」と意気込んでやってきて、金も時間もすべてぶっこんでしまうと、「こんなはずじゃなかった…」となった時のダメージが大きすぎるのです。
もちろん留学やワーホリでも相応の予算、時間は必要になりますが、いざ撤収となった時のダメージ度合いがまた浅いので、まずはこのどちらかから始めてみるのがよろしいのではないかと。
(旅行や仕事で何度も行ったことがあるから、と思っていても、実際に住んでみるとだいぶイメージが違うということは大いにあり得るので、そこらへんでも油断は大敵です)

他に、海外生活を始める前に、最低限これだけは準備していこうね、という二大巨頭がこちら。

③これだけは準備しておくべき
  1. 資金
  2. 語学
はい、身もふたもありません。でもこの2つはガチで、本気で準備していきましょう。
お金。若いワーホリさんなんかが特に、「行けばなんとかなるっしょ!」ってな勢いだけで渡航してしまいがちなんですが、いかんせん、今はいずこの国もインフレがエグイ。一時期ほどではないにせよ、円も弱い。日本のように、安くてそこそこの商品、サービスが手に入る国というのはほぼないです。それなりの家に住みたければ相応の資金とバックグラウンド(仕事、信用)を求められ、おいしい食事をそれなりのサービスと共に楽しみたいと思ったら、一人あたり数千円の出費は当たり前。

それから語学力。もちろん全然喋れない状態でも留学、ワーホリには行けます。が、その場合、仕事が見つかる可能性はかなり下がりますし、日本人以外の友達はできません。(まれに、日本語ペラペラの現地民や留学生と仲良くなって助けてもらえるケースはありますが)
仕事見つからない、お金ない、友達もできないといった悲しいパターンに陥らないためにも、それなりの語学力は日本でつけていかないとヤバいです。

正規留学などでも「まずは現地で語学学校に通って…」等のプランを立てる人も多いですが、正直いって金と時間の無駄です。お金と時間が有り余っていてしょうがない、という人以外は、現地ですぐに正規のプログラムに入れるレベルの語学力を身につけてから渡航すべきです。(いうて、私も4か月だけ語学プログラム取ったけどな…)

他にも現地で必須となる地味なスキルに「生活能力」が挙げられます。
どういうことかというと、「自分の身の回りのことがひと通りできる」ということです。これができない留学生が意外と多い!これできないと、シェアハウスとかでも嫌われます。
つまり、「共用のスペース、ツールをきれいに使える」とか、「ドアは静かに閉める」「夜は静かにする」とか、ほんっとに人間として当たり前のことです。でもこれができない奴が多いんだほんとに!
(もちろん、これは日本人に限ったことではないです。でも、今まで日本人は比較的「ちゃんとしてる」人が多かったので、その分優遇されてきたところが大きいです。それが、だんだんとダメになってきてるのを感じる今日この頃です)
それから同じくらい重要なのが「自炊スキル」。これも生活能力の中に含まれるとは思いますが、ロクに料理したことない人とか、海外行ったらたぶんヤバいです。よっぽどお金が有り余ってる人以外は、簡単な料理くらいは作れるようになってから渡航しましょう。外食文化が発達しているアジア圏みたいなエリア以外に行く人は、おそらく毎日自炊が基本になってきます。

と、偉そうにつらつらと書いてきましたが、これらを準備していったところで、必ずうまくいくと言い切れないのが海外生活です。
私はカナダで5年という、短いようなそうでもないような年月を過ごしてきましたが、実はその土地との相性、それから柔軟性もものすごく大事だなと思っております。

というのも、このブログでも何度か書いたと思いますが、わたくしは最初オンタリオ州の某所に住んでおりまして、その頃は「つまんねーところだなあ、何にもねえ」と日々毒づいておったのです。が、その後、COOP実習をきっかけに、東部の僻地に移り住んだところ、「なんて良いところなんだ!永住権、取ろう!」と、めちゃくちゃ心境が変化したのであります。
なので、州やエリアによって、相性ってものすごくあると思ってます。ですから例えば最初バンクーバーに住んで「カナダ、いい!」と思う人もいれば「つまんね… 期待しすぎた」と思う人もいると思うのです。そうなった時に、「カナダ、つまんね」となるのではなくて、できれば別の州に引っ越してみる、旅行してみることを試してみてほしいのです。
カナダ(アメリカもですが)って、ほんっとにめちゃくちゃ広いし、州によって文化、天候、人種構成など、マジで全然違います。なので一か所だけ見て「この国は自分に合わない」となるのはホントに勿体ない。(だから潤沢な資金が必要なんだよ!)

あと、柔軟性と書きましたが、たまーに海外に来てまで「日本ではこうだったのに」とか「日本だったらこうなのに」とかブツクサ言ってる人がいるんですよね… なぜ来たのか…と内心呆れるしかないんですが、こういうメンタリティのままだと、おそらく一生どこに行っても人生楽しめないと思います。こういう人はさっさと見切りをつけて日本に帰った方が(周りも)幸せになれると思うんですよね…
ただ、それでも日本には帰りたくないとか、帰れない事情があるとかだったら、やっぱり自分が柔軟に、現地のカルチャーを受け入れて、楽しんでいくしかないんじゃないかと。

お役所の担当者によって言うことが違うとか、訳わからんトラブルに巻き込まれるとか、海外に住んでるといくらでもあると思います。そういう時にキレるだけじゃなくて、じゃあどうしたらまともな対応を受けられるのか。こちらが感じよく接してみる、メールやスクショで言質を取る… とか、いろいろ試行錯誤していく中で自分の経験値が上がるわけです。
アホなミスされても笑いとばすローカル民の鷹揚さとか、憂鬱な長い冬の過ごし方とか、現地の人々から学べることも多いと思います。「まーしょうがないか…」とあきらめて、いかに気持ちを切り替えられるか、というあたりも、海外で暮らしていくには必要なスキルなのかなーと思っています。


と、長々と偉そうに書いてきましたが、結局私はスキル(と、語学力)という点で現地生活を続けることができず、いったん日本に撤収となった身でございます。
でも、だからこそ、海外生活の厳しさを身をもって体験しているとも言えるかなと…

「海外移住」とか「海外生活」って、すごくキラキラしたイメージで語られている部分も多いですが、いざ身を投じてみると、かなり泥臭い、地味でショボい日々の積み重ねです。でもツライだけじゃなくて楽しいこともたくさんあるので、「自分には無理!」と思わずに、正しい努力と準備をしていけば、決して不可能ではないことなので、興味があるならぜひトライしてみてほしいなと思います。そういう意味で、少しでもこのブログがお役に立ったら幸甚でございます。

おわり!




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