田舎や地方ならカナダの永住権は取りやすい?
またツイッター見てて思いついたネタなんですが、タイトルの通り、カナダの田舎や、いわゆる「地方」は永住権が取りやすいのか?という話です。
前にボーボーと音を立てて燃えていた某州の話も有名ではありますが、たしかに田舎や地方は、人を呼び込みたいがために、結構ゆるい条件でPNPや特別な永住権申請プログラムが設けられていたりします。なので、その点について「永住権が(比較的)取りやすい」というのは、まあ嘘ではないかもしれません。
が、やっぱりそんなうまい話はそうないのであって、今、都会で「永住権取りたいから田舎に引っ越そうかな」と考えている人がいたら、「ちょっと待て、よーく調べて考えてみてからの方がいいよ」と言いたい。その理由を書いていきたいと思います。
①仕事ない
このへんは皆さんも想像つくかとは思うんですが、都会と比べて求人数自体が少ないので、ローカル民すら良い仕事がなかなか見つからず、結果、人々が流出していってしまうという現実があります。これは日本も同じですね。だからこそ、PNPなどで移民を受け入れて補填しようとしているわけで。
このへんは皆さんも想像つくかとは思うんですが、都会と比べて求人数自体が少ないので、ローカル民すら良い仕事がなかなか見つからず、結果、人々が流出していってしまうという現実があります。これは日本も同じですね。だからこそ、PNPなどで移民を受け入れて補填しようとしているわけで。
さらに、田舎や地方だと、日本人向けのビジネス(レストラン、語学学校、旅行関係など)がほぼほぼ存在しないので、日本人であることをアドバンテージとして生かせる職業がほとんどない、という現実。ジャパレスがあったとしても、中国人とか韓国人経営だと、スタッフもその国の人で固められていて、なかなか採用してもらえないということもあります。
さらに、永住権を目指す外国人にとってかなりシビアなのが、地元の大学、カレッジの学生との競合です。例えば都市部のカレッジや大学を出たものの、なかなか仕事が決まらないから別の地域に移動して仕事を探そうかな… というときに、この点はかなり大きなディスアドバンテージになってきます。
何せ地元の学校の卒業生の方が、現地でのコネクションは密で、彼らを雇うためのシステムがガッチリ出来上がっている場合があります。(たとえば夏の間にインターンなどをして、卒業後の就職につなげる仕組みなど、学校側とビジネスサイドの連携ができあがっている)
そんなローカル卒業生ですら、現地でなかなか仕事に就けない状況の中、よそからやってきた新参者にどれだけのチャンスがあるのか?は、少し冷静に考えてみた方がよさそうです。
他にも、これは地域にはよりますが、特に冬が厳しいエリアの場合、シーズナルの仕事が多いという現実があります。農業や漁業などに限らず、レストランやホテルなどのホスピタリティ系も、夏の繁忙期だけ開けて、冬は閉めるという形態がわりと一般的です。
ローカルの人は冬の間、フロリダに旅したり、EIをもらってのんびり過ごしたりで問題ないのですが、永住権を申請するためには「パーマネントのフルタイム」職に就く必要がある場合が多いため、このへんも結構ネックになってくるんじゃないかなと思います。
②競争率高い
これも①と関連するんですが、まあ日本人だけではなく、インド人中国人その他諸々、永住権を目指す人々はみんな考えることは同じで、やはり「比較的ハードルの低い」PNPや、特別プログラムに惹かれて地方や田舎にやってくるのです。
そして何が起こるのかというと、永住権サポートをしている事業主に応募が殺到する、という現象が起こります。
ローカルの卒業生との競争のみならず、同じように永住権を目指して外部から移ってきた人々とも競り合わないとならないわけです。しかもインド系や中国系は、かなり本気で永住権を狙いに来てます。ローカル民が誰もやりたがらないキツイ仕事を淡々とこなし、根性でも英語力でも日本人に勝る彼らと競って仕事を勝ち取るのは、かなり至難の業といえるでしょう…(他にも、彼らのコミュニティの強さもある)
さらに、これは例の某州をめぐる炎上騒ぎの中で私も知ったのですが、上記の状況を利用する悪徳ローカルビジネスもあるらしいです。まあこれは永住権に限った話ではなくて、「ワークビザを出すよー」とか「永住権サポートするよー」と鼻先にニンジンをぶら下げて、劣悪な雇用条件でこき使った挙句に、使い捨てにするような事業者がいると…
この点にも注意が必要そうです…
③住居、物価
都市部の物価の高さ、不動産価格の高騰に嫌気がさして、田舎や地方への移動を考えている人も中にはいるかと思います。
が、田舎なら簡単に住むところが見つかるかというと、そんなことは全くないのです。
最近は少し落ち着いてきたのかなとは思うのですが、それでも去年あたりまで、学生や留学生、そしてローカル民ですらも住むところがないということで、たびたびニュースになっていました。
カナダ全土で不動産価格が上昇していたということに加え、パンデミックにより在宅勤務が浸透したことで、田舎に移り住む人が増えたため、地方でも住宅不足が深刻化しました。その結果、ある日突然大家さんから「家を売ることにしたから来月には出ていってくれ」と言われてしまう人が続出。入学許可が出たにもかかわらず、「住むところが確保できないうちは引っ越してくるな」と新入生(主に留学生)に通告する大学… これ、去年あたり実際に起こっていたことです。(もしかしたら今も?)
あと、物価も普通に高いです。なんなら都市部より高いんじゃないかと思います。輸送費の問題もありそうですし、需要が少ないからか、アジア系の食材なんかもかなり割高です。(そもそも日本の食材はほとんど手に入らないのが田舎…)都市部のように、to good to go のような素敵サービスも浸透していません…
そんな感じで、地方に住んだから、田舎に移ったから、永住権が簡単に取れて、生活コストも抑えられる!というわけではないです…
「だから田舎に来るな!やめとけ!」と言いたいわけでは決してないですが、移ってきてから「こんなはずじゃなかった」となるのはあまりにも悲しすぎますので、こういう現実を知った上で、よー---く考えて、決断してほしいなと思います。
オマケ
↓の動画も、地方だからとか田舎だから、という切り口とはちょっと違いますが、かなりカナダの闇を暴いていて、ぜひとも多くの人に見てほしいなあと思います。
Cash Cows: Foreign student recruitment crisis at Canadian universities
How recruiters in India use false promises to lure students to Canada
https://www.youtube.com/watch?v=dNrXA5m7ROM
https://www.youtube.com/watch?v=dNrXA5m7ROM