カナダ人スタッフがキレ辞めして思ったこと
ちょっと前にツイッターの方でちらりと書いたんですが、先日、当店のカナダ人スタッフが仕事中にブチ切れて、その場で荷物をまとめて出ていくというプチ事件がございまして。
残念ながら(?)私はその場にはいなかったので全て伝え聞きなんですが、まあ最初に思ったことは、「なんだよ~、それ見たかった~!」ということでした。最低ですね。
残念ながら(?)私はその場にはいなかったので全て伝え聞きなんですが、まあ最初に思ったことは、「なんだよ~、それ見たかった~!」ということでした。最低ですね。
で、別に今回書きたいのは職場でのふるまいとか、アンガーマネジメントとかそんな高尚なことではなく、いつも通りのしょーもない下世話なボヤキです。
なので、タイトルとはあんまり関係ない内容となっております。
(ちなみにキレ辞めした翌日、件のカナダ人スタッフはちょっと反省した風?にオーナーに電話してきて、リファレンスを書いてくれと頼んできたそうな。そんな奴に書くな!と思ったけど、まあどうでもいいのでその後はわかりません)
(彼がキレた経緯も、ネタ感に満ちていて書き出したい気持ちはやまやまなのですが、まあさすがにそこは割愛することに致します。)
正直申し上げてそのスタッフは、気のいい奴ではあったけど、あんまり仕事ができる方でもなく、料理作るのも遅いし、盛り付けもイマイチ美しくなく、気が利かないのかはたまたわざとなのか、どんなに言われても料理以外の作業はせず、他のスタッフを手伝うでもなくそのわりに余計な作業を始めて人の邪魔をするなど(とめどなく出てくるな)、まあ、正直辞められてもさして痛手はない… というか、むしろ辞めてくれて助かったという声すら聞こえてきてしまうような存在でして…
言うても、ただでさえ人手不足のご時世で、突然スタッフが一人いなくなったらキツイだろうー!と思っていた。
のですが。
驚くべきことに… 彼がいなくなったことで、すべてがスムーズに回り始めたのでございます。
たとえば以前私などは皿洗いをしているときに背後に彼がくると「その洗い終わった鍋などを持って行け!積み重なった皿を所定の位置に戻せ!」と心の中で念じていた(なぜなら直接言ってもなんやかんや言い訳をして持っていかないので、直接脳内に語り掛ける手法に切り替えた)が、まったく効果なく(当たり前だがや)、分かっていつつもイライラしていたのである。
彼には、自分の持ち場がヒマなときは、他の人を手伝うという発想がカケラもないため、文字通りボーっと突っ立って時が過ぎるのを待つのみ。私はお前がてんぱっているとき手伝ってるけどな!と私に限らず、全員が思っていたに違いない。更に悪いことには新入りスタッフとずーっと談笑しており、当初はいろいろ手伝ってくれていた新人も、だんだんと彼に毒されたのか、同じように何にもしなくなってしまったのである。
そういう弊害が一掃されただけでも大きいのだが、不思議なことに、一人人員が減ったにもかかわらず、料理は適切なタイミングで出てくるし、お客からの「料理が遅い」というクレームがなくなり、とんでもねえ雑な盛り付けはなくなったし、閉店後の撤収作業も各自がサクサクと行うことになったことで、非常にスムーズに進むようになったのである。
これは一体どういうことか、とわたくしは驚いた。
いない方がいいなんてことが本当にあるのかと。(かなC)
そして更に感じたのは、「日本人と働くって、めっちゃ楽!」ということである。
カナダにいて何言ってんだと思う方も多いかもしれませんが、残念ながら(?)今回、これをひしひしと実感してしまったのです。
といっても、今でも我が職場は日本人スタッフオンリーというわけではないのですが、ある日の夜に数人の日本人スタッフで閉店後の撤収作業をしていたときに、なんといいますか、いわゆる「阿吽の呼吸」的なものを体感し、しみじみと「ラクだあ‥‥」と思ったのであります。
なんていうか、これがこう来たらこう!これやったら次はこうする!みたいな作業が無言のうちにどんどん進んだのですね。
その日のメンツが優秀なだけで、別に日本人とかそんなの関係ないのかもしれませんが、少なくともカナ人スタッフとか、他のカルチャーで育った相手の場合、一緒に仕事してると「いや、今それじゃないでしょ!」とか、「どうしてこうなった…」みたいなことが多々あり、今やそれが普通になっていたので…
あんまり言動の差を国籍とか生まれ育ったカルチャーでラベリングするのは好まないんですが、ちょっと久々に日本人同士で作業してビックリしたといいますか。
ぶっちゃけ、日本人に限らず、やっぱりアジア系だと一緒に何かやっててラク、というのはありますね。確実に… (もちろん例外は多々ありますよ!)
これ、カレッジ時代にも書いたと思うんだけど、カナダに来たばっかりの頃とか、あとマレーシアに滞在してたときにも思ったんだけど、多国籍社会とか移民の国とか言われてても、フタを開けてみると、結構同じ民族同士で固まってて、あんまり混ざり合ってはいないんですよね。
当初はそれがちょっとショックだったというか、今思えばかなりナイーブだったなとしか言えないんですが。
ただ実際に自分がそういう社会の中で暮らしてみると、やっぱりアジア人同士だと分かり合えることも多いし、物事に対する感じ方とか考え方も似ていて、自然と仲良くなるわけで。
そういう経験を経てくると、なんかこう、「ダイバーシティ最高!国際交流万歳!」という気持ちよりも、「いや、現実はいろいろあってだな…」というしょっぱい感情が湧いてくるというか。
「留学」「海外移住」とかって言葉と共によく喧伝される「多国籍な人々と輪になって笑顔」みたいなイメージって、そう簡単じゃないし、結構キツイこともあるぞ…と。
現実が見えてきたってことですかねー
でもまあ、そのカルチャーギャップとかショックが面白かったりもするわけで、何が良いとかダメということではないんですが。
そんなことを、一人のアホカナダ人スタッフがいなくなったことで感じたり考えたりしたというお話です。
オチはない!