海外のジャパレスで働くのは「ダメ」なのか

 

さっきツイッター見てて、自分でもツイートしてたらいろいろと考えが沸き上がってきたのでブログを書くことにしました。それはズバリ、「海外に来てジャパレスで働くのは”ダメ”なんですか!」ということです。

まあ、普通に考えて「ダメ」じゃないんですよ。「ダメ」ってなんだよ、失礼な、って思う訳なんですが、その一方で、「やっぱりダメですかねぇ…」と気弱になるのも事実。
海外のジャパレスで働くこと云々については前にも書いた(気がする)のですが、ここまで拘泥するってことは、私自身にコンプレックスがあるってことなんだろうか、とか…

でもやっぱり今自分がやってることを「ダメだ」とか「ダサい」みたいに言われるのって、イヤな気分になりますよ!プンスカ!単純に失礼でしょう!


そもそもの疑問として、「海外のジャパレスって、そんなに言うほど日本語バリバリで、イージーモードなのか?」ということがある。「ダメだ!」と断罪されるほど、何の努力も労力もいらず過ごせるような環境がデフォルトなんだろうか?

私は今のお店しか知らんので何とも言えないが、少なくとも秘密の前職(…)よりはるかに英語を使っているし、英語ネイティブの同僚の言うことや、お客さんからの電話が理解できずに半ベソになることは日常茶飯事である。(いや、もはや「理解できないことに慣れた」境地です)
なので、よく見かける「ジャパレスで働くと日本語ばかり話してしまうので語学力が伸びない!」という言説には賛同致しかねる。
私の環境が異色なんでしょうか?

さらに、「たとえ日本語環境バリバリで、何の努力も労力も求められない、ぬるま湯環境」だったとして、それの何が悪いのか。余計なストレスが無くて何よりではないか。


おそらく、「海外のジャパレスで働くのはダメ」という人々の多くは、「それでは英語(現地の言葉)が伸びない」という理由でそう言っているのでしょう。
留学とかワーホリという限られた時間の中で語学力を伸ばしたいなら、日本語に逃げちゃダメだよ!と。まあ、それはわかる。

しかしだ。
海外に住んでいる日本人みんなが語学力を伸ばしたいと思っているわけではないし、優先事項は人によって違うのだよ。
それなのにいきなり「ジャパレスで働くのはダメ!」とか乱暴すぎやしませんか…?



さらに、「限られた時間の中で語学力を伸ばしたい、と考えるようなレベルの人が、果たして現地人と競り合って仕事をゲットし、現地人に溶け込んで暮らせるものだろうか…」という疑問も浮かぶ…
いや、そういうガッツをつぶすようなことは言いたくないので、これ以上は書きませんが、多分、難しいよ… 難しいし、ヘンに焦ったり自分にプレッシャーかけてストレスでつぶれる危険もあるので気を付けてね… とだけ申し上げます。もちろんガッツで勝ち取る人も、「有意義な」時間を過ごせる人もいるでしょう。

これも何度か書いたと思うけど、別に留学やワーホリをして、日本人同士でばっかり遊んで、日本語ばっかり使ってても、楽しい思い出ができればそれはそれでええじゃないかと思います。
日本に帰ってから「英語あんまり伸びなかったな」と思ったなら、そこから英語の勉強始めれば良いんだし、せっかくの楽しい思い出が「自分はダメだった」とか黒い感情に侵食されてしまうのはもったいないし悲しい。
(だから人の言動や暮らし方に対して、容易に「ダメだ」とか言うべきではないだろう。)


わたくし個人についていいますと、もちろん英語ネイティブに混じってバリバリ働けるような能力がなかったのはまず事実、さらに勇気も無かった。ヘタレです。「ダメ」とか「ダサい」と言われても仕方がない。
しかし、ジャパレスで働くの、楽しいよ。現地の人が日本の料理食べて喜んでるのも嬉しいし、なんかカナダに来て、「レストランっていい仕事だなあ」と思うようになりました。おいしいものを提供して喜んでもらえるって、素敵な仕事じゃないですか?
大変なこともあるし、体力的にはしんどいことも多いですが、他のスタッフも、他の同業者もみんな誇り持って楽しく働いてますよ。
それを悪く言われると、やっぱり「おいコラ」って思いますよ…


それから私の場合、今の職場を選んだもう一つの別の理由として、「永住権申請がかかっていたので、信頼できる雇用主の元で働きたかった」というのもあります。
別に日本人だから信用できる、という訳ではないですが、「この雇用主はそういうあたりのことをきちんと対応してくれる人か」というのも、今回仕事を探す上で考えたポイントではありました。
これは永住権申請に限らず、「ちゃんとチップを分配してくれるか」とか、最低時給とか保険とか、そのあたりのことをちゃんとしてくれる雇用主かどうか、そういうあたりを見極めることも、結構大事だなと思うわけです。で、同じ日本人だと、そういう見極めが比較的しやすいかなと。
幸か不幸か、日本人コミュニティってわりと小規模であることが多い(個人的なイメージ)ので、ヘンなことしてるビジネスオーナーだと、やっぱりそういう噂って広まるし、周りの目があるのであまりおかしなことはできない、というのもあるかと。
これはどこのコミュニティも同じかな?

なので、現地での長い未来を見据えてるなら、ちゃんとレジュメに書けるような、れっきとした就労経験を積んで、ステップアップする際には快くリファレンスを書いてくれるような雇用主を探すこともかなり重要だろうなと。

なんの話だ?という感じになってしまいましたが、そういう理由で、同胞の元で働くケースも多かろうと。


あとは、日本で働く外国籍の人たちを見てもわかるけどさ… 非常に身もフタもないことを書けば、やっぱり海外からの移住者って、現地の人がやりたがらない仕事をすることになるケースが多いと思うのよ… 
これもまた複雑な問題ではあるけど、基本的には致し方ない構造なのかなと。
だからといって、お掃除の仕事やコンビニとかファストフードで働いている外国人労働者を見て、バカにしたり「あんなのはダメだ」とか思います?私などは、異国の地で、慣れない言葉とカルチャーの中で頑張ってるなあとしか思わんのだが?
それがなぜ同じ日本人の話になると、見下したり「ジャパレスでは働きたくない」みたくなってしまうのだろうか。

たとえ傍から見て、低時給でハードワークで、スキルも身に付かない、いいことなしの仕事に見えても、それで生活を営んでいる人がいて、母国の家族に仕送りしたり、自分の授業料を払っていたりするかもしれないのだ。安易に「あんな仕事」とか言うべきではないでしょう。
さらに、「そこその仕事をして、そこそこの暮らしができればいい」って考えの人だっているわけで… 
こういうのは海外にいる日本人だって同じことのはず。誰もがスキルや語学力を身に付けたいと常に思っているわけではないのだ。それよりもとにかく暮らしていくことを優先したり、のんびり過ごしたいと考える人だってたくさんいるだろう。それを傍からとやかく言うのはいかがなものか。


等々、いろいろ思うがままに長々と書いてきましたが、ホントに根本的なところを言ってしまうと、「人がジャパレスで働こうが何だろうが、どうでも良くないか?」と思います。

いろんな事情、いろんな理由で働いてる人がいるわけだし。明らかに悪に手を染めている、とか、悪徳業者に搾取されている、とかじゃないんだから、ほっとけやと思います。
人の選択や言動に対して「ダメ」とか「底辺」とか言うなよ!と。

もし今、海外にいてジャパレスで働いていて、あるいはかつて海外のジャパレスで働いていて、そういう意見を目にして凹んでいる人がいたら、「気にすんな!」と言いたいし、そういうことを言っている人がいたら、「人のことはほっとけ!」と言いたいです。ジャパレス、良い仕事ですよ。



唐突におわり。








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