海外に住むと日本を好きになる?
海外在住者の方々のブログを読んでいて思ったのですが、「海外に住むと日本の良さがすごく分かる」「日本ほどいい国はないと実感する」と書いている人が本当に多い。
そして結構、自分が現在住んでいる国のことをボロクソに書いている人もいる。
うーむ、と私は思ってしまうのだ
正直わたくしは今住んでいるカナダの(とある田舎町)の方が穏やかに幸せに暮らせているので、そういう人たちの言うことがあんまりよくわからない。
皆が言うように、日本ほど清潔で便利な国はそうそうないし、家族や友達がいる日本は私にとって、もちろん永遠に特別な国である。
それはまったく否定しない。
カナダの不便さ、テキトーさに「ぐぬぬ…」となったことは枚挙にいとまがない。
が、それでも私は、だからといって「日本が一番いい国!」とも思えない。
だってその清潔さ(ある意味それは過度な、ともいえるし、また、全ての場所が完璧にクリーンなわけでもないので、議論の余地はあるが…)や、過剰なほどの便利さの裏側には、ブラック企業とか、過労死とかいう闇が歴然と横たわっているではないか。
必要以上にお客にへりくだる店員さんとか、過剰包装とか、24時間営業のピカピカのコンビニとか、そういうものを「日本の誇りだ!」とは私は思えないのである。
あと、よく(特に男性が)言うのが、「日本は安全な国だ!」ということ。
これも私は同意できない。
そりゃー内戦国とか、しょっちゅうマフィアが抗争してる国とか、そういう国に比べたら安全だろう。
だけど、私が今住んでいるところだってめちゃくちゃ安全で、世界にはそういうエリアが数えきれないほどあるので、別に日本だけが完全に安全とは言えないと思う。
そして何よりも女性にとって、日本は全然安全じゃない。
痴漢を始めとした性犯罪に遭う確率の高さとか、プリクラで若い子たちが盗撮されるとか、そういうことが日常茶飯事の国を安全と言ってしまうことに私は強い違和感がある。
(しかもほとんどの性犯罪が表沙汰にならず、かろうじて明るみに出たとしても不起訴処分とか… あと、ちょっと前の、女子学生だけが不正に点数を減らされていた入試問題とか、女性役員が全然いない企業の多さ等々。正直いって、カナダの感覚からすると「ありえねえ」ことばっかりなんですよ)
あと、公共交通機関でベビーカーが冷遇されたり、行政がホームレスを排除したり、そういう日本の冷たさにも本当に失望させられる。
この間の大雨で、武蔵小杉だかの高層マンションで、住民の人たちが未だに生活に困っているというニュースに対するヤフーコメントの酷さにも本当に驚いた。
あと、無職の人とか、生活保護者に対する風当たりの強さも異常。
そう、今の日本は弱者にはとことん冷たい。
まー私はカナダに来てまだ2年ちょいなので、この国にもいろいろ問題はあることを分かってないのだとは思うが、それでも… 困っている人がいれば当たり前のように手を貸し、子どもを見ればみんなが笑顔になり、道ですれ違う人やレストランなんかで隣り合わせた人と気軽に言葉を交わすような環境にいると、「日本が一番!」とはとても言えないのだよなあ。
まあきっと今の私がかなり恵まれているのでしょう。
そしてまだ、この国でそこまでの苦労をしていないだけなのかもしれない。
あとは便利さや快適さにそこまで重きを置いていないというのもあるかなあ…
そりゃあコンビニや百均があったら便利でいいなあとは思うけど。
もうすぐ日本に一時帰国(今回はちょっと長め)なので、実際に帰ってみて自分がどう感じるか、というのも少し楽しみなような怖いような。
↑みたいなこと書いておいて、「やっぱ日本が最高だぜ☆ヒャッハー!」となるのか、それとも…?
にほんブログ村